画像:筆まめ
自宅のプリンターで年賀状を作るなら年賀状制ソフトが便利。中でも人気No.1の「筆まめ」は、心強い味方となるはず。しかし、筆まめには有料ソフトから書籍の付録まで多くのラインナップがあります。そこで、どの筆まめが一番オトクか比較してみました。
筆まめの選択肢は大別して4種類
筆まめは年賀状制作ソフトの販売本数で21年連続1位。多彩な機能で指示を集め、その人気ゆえにラインナップも豊富になっています。
2021年版にあたる「筆まめVer.31」をはじめ、「Web筆まめ」のブラウザ版とアプリ版、書籍として販売されている「筆まめベーシック」シリーズを用意。フルスペックの有料ソフトだけでなく、機能が限定された体験版もあります。
結論から言うとアプリ版のWeb筆まめがイチオシですが、好みや環境によって選ぶべきソフトは異なるでしょう。以降はそれぞれの特徴を説明します。
筆まめVer.31の特徴
筆まめと言えば、多くの人がイメージするのがコレでしょう。毎年バージョンを更新し、新しいデザインやサービスを追加しています。
有料版は初回購入用の通常版とアップグレード・乗換版があり、パッケージ版とダウンロード版があります。さらに体験版もあって無料で利用することもできます。
画像:筆まめ「製品紹介」
動作環境はすべて同じ。対応OSはWindows10とWindows8.1。Macには対応していないので注意が必要です。プリンターは一部機能が制限されるものの、家庭用であれば概ね印刷可能です。
筆まめVer.31有料版の特徴
まずは全機能が使える有料版を紹介。とにかく多機能で使い勝手が抜群なので、注目したいポイントのみをまとめました。
ソフトの料金は3278円〜6940円
筆まめの料金は通常版ならダウンロードで4158円、パッケージで6490円。アップグレード・乗換版ならダウンロードで3608円、パッケージで3278円となっています。
家庭内なら5台のパソコンで利用可能。ほとんどないと思いますが、さらに他のパソコンで使いたい場合は別途ライセンスを購入する必要があります。価格は通常盤とアップグレード・乗換版、さらに購入するライセンス数で異なるので、事前に確認しておきましょう。
デザイン&イラストは45万点!
仕様できるデザインとイラストは合計45万点! 今年の干支である牛はもちろん、十二支すべてを収録しているという豪華っぷりです。デザインの種類も、人気デザイナーによるものから、カレンダー付き年賀状やポストカード風など、幅広くラインナップされています。
2021年1月31日まで利用できるスペシャルデザインも用意。「歌舞伎」と、手のひらに乗る工芸品がテーマの「てのひらのえんぎもの」の2種類で、どちらも趣があります。さらに今年からは文字を入力すると自分だけの「賀詞ロゴ」を作る新機能も!
画像:筆まめ「デザイン紹介」
さらにフォントは155種類も利用可能。ゴシック系と明朝系はもちろん、筆書体やポップ体など、写真やデザインに合った文字を選ぶことができます。
ただし、利用にはユーザー登録とインターネットへの接続が必要。スペシャルデザインだけでなく、全デザインとイラストが2021年8月31日までの利用となります。ソフトでありながら続けて使えないのは残念なところでしょう。
操作性も昨年からパワーアップ
使いやすいのもポイントです。今年は画像編集ツールが改善。切り抜きツールとカラーチェンジャー、筆まめペイントの画面を見直されました。パーツコントローラには「最前面」「最背面」「元に戻す」「削除」とよく使うコマンドを追加。住所録カードのメモも常に表示できるようになりました。
高度な編集がウリですが、誰でも使いやすいのも魅力。直感的に操作できる「はじめてモード」が備わっていたり、図解してくれる「フルカラー操作ガイド」が付いていたり、解説ビデオがアップロードされていたりと、初めて年賀状を作る人でも安心です。
宛名印刷も住所録の管理もバッチリ!
宛名印刷のクオリティが高いのも、筆まめの長所です。プロ書道家が監修した「自動宛名レイアウト機能」で、長い住所でもキレイに配置。フォントの「流麗行書体」も品位を感じさせます。
人名用外字を1390字も収録していたり、透かし絵風やシール風などデザインできる「宛名デコ」機能が付いていたりと至れり尽せり。
住所録もクラウドとの連携をはじめ、過去のやりとりが一目でわかる「出受記録」や個人情報を守る「住所録セキュリティ機能」など、便利な機能が盛りだくさんです!
対応する印刷もバラエティ豊か
筆まめは印刷に関する機能も多彩。機能に対応するプリンターなら宛名も文面もまとめて印刷できたり、インクを節約したりできます。なお、年賀状なら年賀はがきへの印刷となるでしょうが、筆まめ自体は4727種の用紙に対応。年賀状以外にも印刷したいものがある人にはありがたい機能でしょう。
ネットで印刷を依頼できる「筆まめネットプリント」も用意されています。価格は通常仕上げ(はがきへの直接印刷)で1枚160円、写真仕上げ(印画紙貼り合わせ)で1枚180円。写真仕上げは10枚以上の注文となります。
さらに今年からセブンイレブンのコンビニプリントも利用可能。投函ギリギリに自宅のプリンターが故障するなど、不測の事態が起こっても切り抜けられます。
筆まめVer.31体験版の特徴
体験版は無料で使える分、有料版の機能を制限したもの。では、その制限事項についてまとめました。
まとめて印刷することができない
文面も宛名面も1枚印刷するごとに10分間のインターバルが必要。連続して印刷することはできません。
デザイン数も減り、賀詞ロゴも利用できない
収録しているイラストやデザインも激減。デザインは120点、イラストは940点しか使えません。また、賀詞ロゴは利用できず、文面の画像形式を選ぶこともできません。
筆まめVer.31のメリットとデメリット
筆まめは、とにかく機能が豊富。初心者でもオリジナリティあふれる年賀状を作れます。体験版は料金の節約を目的に、枚数を少ししか印刷しない、年賀状にこだわらない場合のみ有効。ただし、その場合も時間がかかることは覚悟しておいた方が良いでしょう。
・多機能で様々な編集が可能
・印刷方法も多様
・体験版なら価格を抑えられる
・機能が多すぎて使いこなせないことも
・Windowsでしか利用できない
ブラウザ版Web筆まめの特徴
Web筆まめはブラウザ版とアプリ版があり、筆まめVer.31とは内容が異なります。では、どこが違うのか? Ver.31を比較対象として、異なるポイントを解説します。
画像:Web筆まめ
料金は年3000円
利用料金は年額で3000円となります。Ver.31も実際には1年程度しか使えないので、価格においてはWeb筆まめに軍配が上がります。
Macやスマホでも使える
Web筆まめブラウザ版、最大の魅力といえばマルチデバイスなこと。WindowsでもMacでもAndroid携帯でもiPhoneでも利用できます。インストールや環境の設定・更新も不要なのもポイントでしょう。
デザインとフォントは必要十分
Web筆まめは今年の干支を中心にデザインが825点、イラストが3430点を収録。フォントは17種類となります。Ver.31と比べたら劣りますが、すべてのデザインを見比べて作るわけではないので、これでも十分以上でしょう。
シンプルで使いやすい操作性
Web筆まめには、賀詞ロゴや自動宛名レイアウト機能などは搭載されていません。一方で、やれることが限られた分、操作は簡単になっています。作成ソフトとしてはVer.31の方が優れていますが、初めてでも手軽に扱えるのはメリットの一つです
住所録はクラウドのみ利用可能
ブラウザ版はクラウドを利用しているので、住所録は別サービスの「筆まめクラウド住所録」を使わなければなりません。しかし、きちんと連携はされているので、宛名面の印刷は問題なし。宛名の一覧表示も可能なので困ることはないでしょう。
印刷は、はがきのみに対応
Ver.31では多くの用紙で印刷できましたが、Web筆まめは各種はがきへの印刷しかできません。プリンターは、ブラウザからの直接印刷とPDFファイル出力ができるので、ほとんどの機種で印刷できます。また、筆まめネットプリントとは連携していますが、セブンイレブンでの印刷はできません。
ブラウザ版Web筆まめのメリットとデメリット
ブラウザ版Web筆まめは使い勝手の良さが強み。一方で作成の自由度や、印刷の便利さはVer.31に後塵を拝しています。なお。ブラウザ版にも体験版がありますが、印刷も保存も不可能なので年賀状作成に利用できません。
・価格がver.31より安い
・操作がシンプルで使いやすい
・はがきへの印刷にしか対応してない
・セブンイレブンでは印刷できない
アプリ版「Web筆まめ」の特徴
アプリ版Web筆まめはブラウザ版をスマートフォンに特化したもの。劣っている部分もありますが、一方でより進化している部分もあります。
アプリはAndroid版もiPhone/iPad版もラインナップ。性能は同じです。なお、Androidなら筆まめクラウド住所録のアプリがあるので、管理がしやすくなっています。
料金は490円〜
アプリ版は印刷するのには、印刷費とは別に490円課金する必要があります。また、2018〜2021年までのデザインが年ごとに分けて用意されていますが、それぞれに有料のデザインもあります。そちらを利用する場合にも、それぞれ490円がかかります。
デザインはブラウザ版よりも限定される
デザインとイラストはブラウザ版より少なくなっています。無料ならデザインが20点、イラストが30点、背景が10点ほど利用でき、有料ならはがきデザインが110点、イラストが150点、背景が30点まで使用可能。フォントは無料有料問わず3種類となっています。
スマートフォンならではの機能と操作が利点
アプリ版にはブラウザ版にない機能が搭載されています。デザインを選んでから直接写真が撮れたり、5種各16色のペンを画面へのタッチで手書きできたりと、手軽に年賀状を作れます。操作もブラウザ版だと通信によってモタつきますが、アプリ版なサクサク動きます。
宛名印刷にスマホのデータも利用できる
作った年賀状は自宅プリンターだけでなく、筆まめネットプリントでも印刷可能。さらに宛名印刷にも対応しています。住所録は新規作成や筆まめクラウド住所録との連携に加え、スマホのアドレス帳からデータをインポートできます。
アプリ版Web筆まめのメリットとデメリット
アプリ版のメリットは操作の手軽さ。リーズナブルですし、ペン機能などもユニークです。ただ、ブラウザ以上にデザイン数が少ないのがネック。気に入ったデザインがあるなら使うのもアリだと思います。
・スマートフォン独自の機能がある
・操作がシンプルでサクサク作れる
・はがきへの印刷にしか対応してない
・セブンイレブンでは印刷できない
「筆まめベーシック」シリーズの特徴
筆まめには、筆まめベーシックという廉価版が存在します。これは昨年にリリースしたバージョンに今年の絵柄を足したもの。コンビニなどで書籍の付録として販売されています。
画像:筆まめベーシック。書籍「超かんたん筆まめ年賀状2021」
料金はだいたい500〜600円前後
筆まめベーシックは書籍の付録ですので、利用料金=書籍の価格でマチマチです。ただ500〜600円が相場となっています。なお、書籍は「超かんたん筆まめ年賀状2021」(晋遊舎)や「速効!筆まめ年賀状2021」(マイナビ出版)など、各出版社からいくつも販売されています。
CD/DVDを読み込めるPCしか利用できない
筆まめベーシックはCD/DVD-ROMに収録されることがほとんど。当然、対応OSはWindows のみでMacでは利用できません。自宅プリンターへの対応は今年のver.31と同じですが、今年の追加機能であるセブンイレブンでの印刷は利用できません。
デザインと素材は4600点
筆まめ Ver.30ベーシックには1300点のデザインと、3300点のイラスト、背景、スタンプを収録。もちろんデザインは今年の干支にリニューアルされています。また、書籍によっては筆まめとは別の家計簿ソフトなど別の付録が同梱されていることもあります。ベーシックシリーズを選ぶ際は、内容を比較してみることが大切です。
年賀状の基本を学べる
筆まめベーシック自体のメリットではありませんが、書籍に使い方や年賀状の基礎知識が書いてあることも、密かなポイント。使い方や疑問などをパラパラとめくりながら学ぶことができるのも、他の筆まめにないアドバンテージになります。
筆まめベーシックシリーズのメリットとデメリット
筆まめベーシックはなんといっても価格が魅力。一つ古いバージョンで、素材数も減らされているといえ、十分すぎるボリュームです。ただし、操作面に少し不便さや古さが出てしまうこともあるので難点でしょう。
・筆まめ以外の付録が付くことある
・本で年賀状について学べる
・利用できるデバイスが少ない
・セブンイレブンでは印刷できない
場合によっては印刷会社の年賀状サービスがオトク
安さにおいては「筆まめベーシック>アプリ版Web筆まめ>ブラウザ版Web筆まめ>筆まめVer.31」という順番。コスパで見ても筆まめベーシックが一番となりますが、利用できない環境の人も少なくないでしょう。そのため、個人的にはスマホで操作でき、価格も値頃感のあるアプリ版がオススメです。
しかし、利用料金とはがき代に、プリンターのインク代やネットプリント代を加えると、印刷会社を利用した方が安くつくこともあります。特に自宅でのプリンターは手間がかかりますし、普段使っておらずインクを買い直すのなら印刷会社を利用した方が無難です。
そういった方のためにオトクな印刷会社も紹介しておきます。下記と比べて、自分で印刷するか印刷会社に任せるか決めてみてください。
【安さ部門】プリントパック:安さで筆まめを超えることも
リーズナブルさなら印刷会社でもトップクラスの「プリントパック」。特徴的なのは納期によって価格が異なり、最短当日から7営業日後まで料金設定されています。
2営業日の発送であっても50枚印刷なら4771円(2020年12月16日現在)。年賀状代は50枚で3150円かかるので、50枚以下ならブラウザ版Web筆まめと筆まめVer.31より安くなります。アプリ版筆まめでも有料デザインを使い、インクを一つでも買い足したらプリントパックが優位となるほど、リーズナブルです。
【デザイン部門】Digipri年賀状:今ドキなデザインが魅力
画像:Digipri年賀状
デザイン性を追い求めるなら「Digipri年賀状」がベストでしょう。人気アーティストによるデザインに加えて、画像補正などのサービスを利用可能。さらに印画紙の貼り合わせを注文できるので、かなり高クオリティの年賀状を作れます。
50枚印刷する場合、通常の印刷で6220円、印画紙貼り合わせで7160円とリーズナブル。年賀状の質にこだわるなら選択肢に入るでしょう。
【コスパ部門】しまうまプリント:コスパ良好なオールラウンダー
画像:しまうまプリント
コスパにこだわるなら「しまうまプリント」がイチオシでしょう。宛名印刷はもちろん、投函代行も常時無料。デザインのセンスも良く、印画紙貼り合わせの質も◎です。操作もしやすいので、Digipri年賀状よりも万人向けする傾向にあります。
50枚印刷する場合、通常印刷で6208円、印画紙貼り合わせで7308円。ただ、大量印刷するほどオトクな料金体型なので、枚数によっては不利になることも。まずは自分が印刷する枚数を公式HPのシミュレーターでチェックしてみると良いでしょう。