上司に年賀状を送る際の書き方と注意点!送り忘れた際の対応やマナーも解説

年賀状を上司に送る

社会人になると「上司に年賀状を送った方がいいの?」「失礼のない書き方は?」などで悩む人多いでしょう。そこで、上司に送る年賀状のマナーや文例、さらに上司から年賀状をもらったときの対応などを紹介します。

上司に年賀状を送るメリット

社会人になると、毎年ビジネス関係で年賀状を出す人もいらっしゃるでしょう。年賀状は、新年の挨拶をすると共に、旧年中の感謝と新たな年においても変わらぬ厚情をお願いする気持ちを表すもの。一つのビジネスマナーとも言えるでしょう。

しかしビジネス関係と一言でいっても、どこまで年賀状を出せば良いのか判断が難しいところ。特に上司に年賀状を送るべきかについて悩むという話をよく聞きます。「仕事始めの日に口頭で新年の挨拶をするので年賀状は出さなくても良い」という人もいるかもしれませんが、元日に届く年賀状は誰にとってもうれしいものです。

上司にとって日常的に顔を合わせている部下は身近な存在なので、きちんと年賀状を出せば関係性が良くなり、コミュニケーションがスムーズになるかもしれません。また、ビジネスマナーを心得た“デキるビジネスパーソン”という印象を与え、評価が上がる可能性もあります。

誰にも年賀状を出していないという人もいるでしょうが、社会人として、会社の一員として、最低限お世話になっている上司には年賀状を出しておくのがベターです。ただ、社内で年賀状を出すことを禁止している会社もあるので、年賀状に関する社内ルールは事前に確認しておきましょう。

上司に年賀状を送る際のマナー

上司に年賀状を出す際のマナーを確認していきましょう。基本的には通常の年賀状のマナーと同じですが、上司は目上の相手。より厳格にマナーを守る必要があります。

自宅は「○○様」、会社は「役職名」

年賀状を上司の自宅に送る場合、役職は不要です。敬称は「様」を使い、家族ぐるみの付き合いなら、家族を連名にして問題ありません。その際、一人ひとりに敬称を付けるのを忘れないように。

一方、会社宛に送る場合は、宛名に役職名を入れて「部長○○様」のように書きます。

賀詞は「謹賀新年」などの4文字にする

年賀状の文頭に書く新年のお祝いの言葉を「賀詞」と言いますが、上司に年賀状を送る際の賀詞は「謹賀新年」や「恭賀新年」など、4文字のものから選びましょう。

1文字(寿、賀など)や2文字(迎春、賀正など)の賀詞は、目上の人が目下の人に送る際に使用するもので、上司への年賀状に使用すると失礼にあたります。あらかじめ賀詞が印刷されている年賀はがきを購入する場合は、きちんと賀詞を確認することを忘れなく。

二重賀詞にしない

二重賀詞とは、文字通り、賀詞と同じ内容の文章を年賀状に書いてしまうことです。例えば、「賀正」と「あけましておめでとうございます」は両方とも新年を祝う言葉なので、この2つを1枚の年賀状の中で同時に使用するのは避けましょう。

文章の書き出しは、賀詞に合わせて変えることが必要です。使用する賀詞の意味をしっかりと理解した上で、二重賀詞にならないように注意してください。

手書きでひと言添える

あらかじめ挨拶文が印刷されている年賀状もありますが、それに加えて、手書きでひと言添えると、より気持ちが伝わりやすくなります。上司に年賀状を送る際にはひと言を添えるようにしましょう。いくつか例文を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

昨年は格別のご指導を賜り 厚くお礼を申し上げます
昨年同様 今年も変わらぬご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます
さらなる飛躍の年とするべく努力する所存です
本年も変わらぬご指導ご鞭撻のほど よろしくお願い申し上げます

忌み言葉を使用しない

忌み言葉とは、縁起の良くない言葉のこと。結婚式での「分かれる」や「切れる」などは広く知られていますが、年賀状にも同様の忌み言葉がいくつかあるので注意してください。

年賀状の代表的な忌み言葉として「去年」があります。「去」という文字には、「去る」という負のイメージがあるので、「昨年」や「旧年」と記載します。また、「滅びる」「絶える」「衰える」といったネガティブなイメージのある言葉も避けてください。

縦書きで書く

年賀状は縦書きと横書き、どちらで書いてもマナー違反にはなりません。しかし、縦書きのほうが格式高く見えます。上司に年賀状を書く際は、住所や宛名を書く裏面、挨拶文を書く表面ともに縦書きで書くのがオススメです。

元日に届くように出す

基本的に年賀状は1月7日(もしくは1月15日)の松の内までに届けば良いとされていますが、上司に年賀状を送る場合は必ず元日に届くようにしましょう。

年賀状が元日から遅れて届くと失礼にあたるのはもちろん、同僚よりも遅れて届くと悪い意味で目立ってしまうので要注意です。

郵便局が年賀状を元旦に届ける投函期日として指定している一般的な期日は「12月15〜25日」です。この期日に遅れないよう、早めに準備しておきましょう。

上司に年賀状を送る際の文例

上司に年賀状を送る際に使える文例をご紹介。年賀状を書く際は、挨拶文に句読点は入れないというのがマナーなのでご注意ください。

謹賀新年
旧年中は大変なお力添えと心遣いをいただきありがとうございました
謹賀新年
昨年は大変お世話になりました
昨年の経験を生かし 今年はご期待に応えるべく精進する所存でおります
恭賀新年
旧年中は公私にわたり親身なご指導をいただき誠にありがとうございました
お陰様で大変充実した一年を過ごすことができました
恭賀新春
昨年中は至らぬことの多い私を温かくご指導くださいまして心から感謝しております
明けましておめでとうございます
日頃の親身なご指導に深く感謝申し上げます
本年もご期待に添えるよう精進いたす所存です
謹賀新年
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます
恭賀新年
より一層のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます
新年おめでとうございます
旧年中は公私にわたり大変お世話になりました
本年も変わらぬご指導を賜りますようよろしくお願いいたします
明けましておめでとうございます
昨年は大変お世話になりました
まだまだ未熟ではありますが今年は昨年以上にご期待に応えられるよう精進いたします
ご家族の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます

上司に年賀状を送る際のデザイン選び

近年は年賀状のデザインが多様化し、きれいな写真を使ったり、派手な色使いをしたりする年賀状が多くなってきています。ポップでカラフルな年賀状は、新年にふさわしい華やかなイメージを与えますが、相手によってはふさわしくない場合もあります。

上司への年賀状では、やはり堅めのデザインが基本。また、写真を使うのもNGというわけではありませんが、関係性をよく考えて題材を選ぶ必要があります。では、デザイン選びのポイントを説明します。

賀詞は赤字OKだが、挨拶文はNG

賀詞を赤字にすることは問題ないとされていますが、「昨年は大変お世話になりました」や「本年もよろしくお願いします」といった挨拶文を赤字にすることはマナー違反にあたります。

フォントは「楷書体」か「明朝体」がオススメ

年賀状をパソコンやスマホアプリを作成する際には、「楷書体」を選ぶと丁寧な印象になります。また、美しく上品な印象を与える「明朝体」も年賀状に向いています。他には、視認性が高くて読みやすい「ゴシック体」も、年賀状でよく使用されています。

上司などの目上の方に対しては楷書体、友人や同僚などに対しては明朝体のように、送る相手によって適したフォントを選ぶと良いでしょう。

子どもやペットの写真は避ける

子どもやペットなどの写真を入れた年賀状を送るのは、友人や親族までにとどめておいた方が無難です。ただ、上司であっても家族ぐるみで付き合いがある場合や結婚祝い・出産祝いをいただいた場合などは、写真入りの年賀状が喜ばれることもあります。

相手との関係性を考えて、写真を入れるか入れないか、入れる場合はどのような写真を入れるかを考えましょう。

一方、旅行先の美しい風景を写した写真などは、上司への年賀状でも問題なく使えます。ただし風景なら何でもいいというわけではありません。富士山や歴史のある寺社仏閣など、新年の始まりにふさわしい写真を選びましょう。

送ってない上司から年賀状をもらった場合の対応

自分が送っていない相手から年賀状が届いた場合に最も大切なのは、「必ず返事をする」ことです。これは送っていない上司から年賀状をもらった場合も同様です。気まずいからと、そのままにしてしまうと失礼にあたります。届いていることに気づいたら、できるだけ早く対応してください。

年賀状は基本的に1月1日から1月7日までに届くように出すもの。1月8日以降は寒中見舞いとして出します。送っていない相手に返信をする場合、松の内までに届けられるなら年賀状として、間に合わない場合は寒中見舞いとして送るようにしましょう。

そして年賀状を遅れて出す場合、マナーとして年賀状をいただいたことへのお礼と、年賀状が遅れたことへのお詫びを伝えます。例文は下記のようになります。

謹賀新年
お心のこもった年賀状をいただき ありがとうございました
年末の慌ただしさにまぎれご挨拶が遅れましたことをお詫び申し上げます
また 昨年は大変お世話になりました
本年も変わらぬご指導ご鞭撻のほど 心からお願い申し上げます
謹賀新年
お心のこもったお年賀状を賜りましてありがとうございます
帰省のため年末年始を留守にしており
年賀状を出すのが遅くなりましたことをお詫び申し上げます
お健やかに新年をお迎えになられましたご様子 なによりと存じます
本年も変わらぬご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます

上司に年賀状を出して関係性もアップ

上司への年賀状も他の年賀状と同様、マナーを守ることが大切。年賀状は日頃からお世話になっている上司に新年の挨拶を伝えるだけでなく、普段はなかなか言えない感謝やお礼を伝える絶好のコミュニケーションツールでもあります。ぜひ年賀状をビジネスを活用してみてください。